2015年08月05日

熱中症で22歳の交通誘導警備員が死亡

暑い日が続いていて今年も熱中症患者が急増しています。炎天下にアスファルトの上で交通誘導をする交通誘導警備員にとってこの時期は最も辛いものです。

8月1日に香川県で交通誘導中の22歳の警備員が熱中症で死亡するという痛ましい事案が発生しています。まだ若いのに何故こんな事になったのか実に残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げます。

(以下は毎日新聞記事より転載)

31日午後3時半ごろ、香川県まんのう町の国道32号で、交通整理をしていた高松市の男性警備員(22)が体調不良を訴えて病院に搬送され、約11時間後の1日未明、熱中症で死亡した。

 香川県警琴平署によると、現場では道路沿いの樹木の剪定(せんてい)作業が行われており、男性は31日午前9時ごろから交通整理をしていた。現場では定期的に体調確認を行い、休憩を取らせていたという。





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2015年05月09日

交通誘導警備員にとっては、とても悲しい記事

最近はブラックカンパニーに関する記事を見掛ける事が多くなりましたが、著名は雑誌の中でブラック人材の典型として交通誘導警備員に関する記事が書かれているのを見つけました。

ある若い土木工事会社の監督から取材したという形で記事が構成されていますが実に残念な内容になっています。

滅多にいないであろう特殊なブラック人材をまるで大多数であるかの如きタッチで書かれているような印象を受けます。中高年の交通誘導警備員という形で年代を限定されていますが、その監督によると「若い警備員なんてほとんどいない。」との事。最近は若い人が増えている筈ですが・・・

私は実態を正確に反映していないと思いますし、警備業界で真面目に働いている人達の無念さを斟酌しえいるとは思えない内容になっている事が実に残念。また、この記事を読んだ一般の人達が警備員に対して誤ったイメージを抱く要因になるであろう事を推察すると、報道の在り方に疑問を感じずにはいられない。

今どき、記事に書かれているような警備員が実際に存在するのだろうかという疑問もある。仮にそういう人が居たとしても非常にレアなケースではなかろうか?

記事の執筆者が記事の構成に当たってそのレアなケースを針小棒大化しているのか、あるいは、この現場監督が話を面白くする為に大袈裟に話した内容を記者が鵜呑みにしてしまったのではないだろうかという気がしないでもない。

有名な雑誌ですから、その影響力を推し量り、一人の現場監督のみではなく複数の現場監督に聞き取りをした後にその真偽を確認すべきではないだろうか。記事の内容が内容ですから。

警備業界にとってのネガティブな記事を書かないで欲しいと言っているのではない。

また、限りなく正確な記事を書く為に時間とお金を費やして徹底した裏付け調査をして欲しいと言っているのでもない。必要最低限の取材をすべきではないだろうか。

出版業界は厳しい現状であり、記者にとっては予算や時間のカットで記事が書き辛いであろう事は容易に察しがつきます。

が、しかし、その記事が及ぼす影響を斟酌すべきではないのか?

該当記事の内容は転載しません。各自で検索ください。下記のタイトルをコピーされてグーグルやヤフーなどで検索されると記事にヒットします。

【 交通整理の「使えない中高年バイト」に現場の不満爆発 】

因みに「交通整理」という表現は完璧な誤りです。交通整理を警備員は行ってはいけないというのが日本の法律ですから。





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2015年02月21日

工事現場に大型トラックが突っ込み作業員が死亡、警備員3人が軽傷。

岡山県で居眠り運転の大型トラックが工事現場に突っ込み、作業員1名が死亡し他の作業員1名と警備員3名が軽傷を負う事故が発生しています。

お亡くなりになった作業員の方に衷心よりお悔やみ申し上げますと共に怪我をされた方達にお見舞い申し上げます。

居眠り運転で、しかも大型トラック(映像で見た限りでは10t車のようです)ですし片側三車線の中央分離帯寄りですからスピードもそこそこ出ていたでしょうし減速せずに突っ込んだ可能性が高い。

事故当時の規制がどのようになっていたのかは分かりませんが、事故後の規制状況を映像で見ると規制角度が少しキツイ印象もあります。

以前、規制角度については何度か記述してきましたが、多くの工事現場の規制を見ていると規制角度に不安を感じるケースが大半です。角度を浅くする事によって居眠り運転などの車が突っ込む際の早期発見に繋がりますから規制角度は非常に重要な意味合いを持つ事になるのですけどねぇ。

【以下はNNN記事より転載】

20日未明、岡山県早島町の国道2号で居眠り運転の大型トラックが中央分離帯の工事現場に突っ込み、作業員1人が死亡し、5人がケガをした事故で、警察は運転手を逮捕した。

 20日午前1時半ごろ、岡山県早島町の国道2号下り線で中央分離帯の改修工事現場に大型トラックが突っ込んだ。この事故で工事にあたっていた倉敷市の大森博章さん(61)が頭などを強く打ち死亡したほか、作業員1人とガードマン3人、それにトラック運転手の計5人が軽いケガをした。警察では、トラックを運転していた兵庫県神戸市の阿部善一容疑者(61)を過失運転致死傷の疑いで逮捕した。

 調べに対し阿部容疑者は、「居眠りをしていた」と供述しているという。

 事故現場は、見通しの良い片側3車線の道路で、中央分離帯寄りの1車線を交通規制して工事が行われていた。





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2015年01月10日

交通誘導警備員が有罪判決を受けた交通死亡事故の総括(4)

当該警備員はどのような誘導をすべきだったのか?

加害車両のドライバーの陳述の1つに以下のような文言がある。

「 警備員の進め≠フ合図で進行したところ、横断歩道を歩いて、渡り終わる寸前の老人を認め、一時停止した。ピタッと止まった記憶はない。時速10キロくらい。老人は、警備員の合図を無視して渡ってきた。」

一時停止した。ピタッと止まった記憶はない。時速10キロくらい。??

社会通念上、このような陳述の際には自分が不利になる言を行わないケースが多い。一時停止をしたと言いながら完全に止まったのではなく時速10キロくらいで徐行していたという矛盾した内容。これは一時停止とは呼べない。

裏を返せば、一時停止もしくはそれに近い状態にしなければ、この老人を撥ねる怖れを抱いたという事が想像される。

この陳述には驚かざるを得ない。

何故か?

子供が車に轢かれる前にも老人が轢かれる可能性があったという事だ。

当該警備員は子供が車に轢かれる際にその瞬間を全く見ていないと陳述している。同時に、この老人も同様の危機に直面していたと推察されるが当該警備員はそういう危機が生じていた事さえ把握していなかったようだ。

要するに事故リスクに対する観念が全く無いと言っても過言ではない意識の中で交通誘導業務をしていたという事になるのではないだろうか。

1台の車に対し2度に亘って人身事故を誘発する可能性を秘めた誘導をしていた事になる。

では、どのような誘導をすべきだったのか?

・歩行者を視認した段階で車両を停止させるべきだった

加害車両が横断歩道に近付いた段階で老人が横断歩道を渡り終えていなかったという事だから、この段階で車に対して停止の合図を送るべきだった。同時に後続の母子が横断を終えるまで車の停止状態を堅持するか、状況によっては母子の横断を止めるべきだった。もちろん、歩行者優先だが危機回避の為なら歩行者を停止させ保護する事もアリだ。

・片側交互通行の「進行よし」の合図は、あくまでも片側交互通行区間限定の合図

現場は片側交互通行でペアを組んでいる警備員が「進行よしの合図」を送ったとの事だが、これはあくまでも片側交互通行区間の進行は良しとするものでしかない。自分の守備エリアでリスク要因が発生すれば車を停止させるのが基本だ。

車を停止させた後、ペアの警備員に対しては車の進入をさせないように停止の合図を送り新たなリスク要因を除外する周到さが求められる。

このような誘導を行えば事故は起こり得ない。

この事案は一警備員の問題という事で終わらせてよいのか?
警備会社、警備業界はどうあるべきなのか?





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2015年01月09日

交通誘導警備員が有罪判決を受けた交通死亡事故の総括(3)

交通誘導警備員が工事現場で交通誘導を行う際に心掛けなければならない事を優先順に取り上げると以下のようになると認識しています。

@ 工事に起因する直接・間接的事故を防ぐ
A 事故を誘発する恐れがある渋滞を最低限に止める
B 工事に伴うクレームの発生を防ぐ
C 工事がスムーズに進行するように効率的な誘導を実施する

細かい部分まで取り上げると他にもありますが、基軸とすべきものは上記の4項目だと捉えています。

今回取り上げた事案では交通死亡事故という最悪の結果を招いてしまい、幼くして亡くなられたお子さんとご遺族の無念さを思うと言葉もありません。心よりご冥福をお祈り致します。

被害者に対しても加害者に対しても、この事故を蒸し返すような記事を書く事に躊躇する思いはありますが、この事故の総括が為されていないのではないだろうかという思いを払拭できないのです。このまま風化させてしまえば再び同様の悲劇が起こる恐れがあると危惧せざるを得ず、今後、このような哀しい事故が再発しない為にはどうすべきなのかという思いから記事を書いている事をご理解戴きたい。

● そもそも、この事故は何故起きたのか?

私は、事故というものは複合的な要因が重なって起こるものだと考えています。複合要因が半分取り除かれれば「ヒヤッとした!」「接触程度の軽微な事故」で難を逃れる可能性が高まるが、複合要因が減少しないまま危機ラインに到達すれば重大な結果を招く確率が非常に高くなる。

この事故を読み解くキーワードは

『・・・だろう。』

両被告の陳述では以下の事が語られている。

警備員:「車が止まるだろう。」と思った。
運転手:「警備員が止めるだろう。」と思った。

もし、どちらかが・・・

『・・・だろう』ではなく、『・・・かもしれない。』と思っていたら・・・

異なる結果になった可能性、もしくは事故そのものが起こっていなかった可能性が高い。両者が『・・・かもしれない。』と思って行動していれば間違いなく事故は起きていない。

警備員:「車が止まらないかもしれない。」
運転手:「警備員が止めないかもしれない。」

本件の直接的な原因は運転手の過失だと考えますが、同時に、工事現場で安全確保を厳とすべき警備員という立場を考慮すると、法的な解釈を脇に置いたとしても職務上の注意義務に落ち度があった事は否定できない。

上記の法的な解釈云々という記述は、道路交通法上での警備員の立場が微妙である事を念頭に置いている。警備業法では警備員には警察官のような特別な権限は与えられておらず、道路上で警察官が行う交通整理のような強制力は一切なく、あくまでも協力を求める交通誘導というスタイルだからだ。

ただし、この事故に関しては警備員に強制力があるか否かという問題は全く関与していない。

当該警備員の陳述にもあるように、加害車両に進行の合図を送った後に横断歩道を渡ろうとする親子にも進行の合図を行っているにも拘らず、事故の瞬間は見ていないとの事。

ドライバーの陳述では親子の前に横断歩道を渡り終えていない老人が居たため徐行した旨の言があり、警備員の「車が一時停止をした。」との食い違いが見られる。

少なくとも、加害車両に対する「進行」の合図が取り消されない中で、同時に親子に「進行」の合図を送ったにも拘らず事故の瞬間を見ていないという事は、事故を未然に防ぐという警備員にとって最低限の職責に対する意識が著しく欠けており、交通誘導警備員の経験を持つ私としては全く理解出来ない行動としか映らない。

技術的なミスではない。

「警備員とはどういう存在なのか?」
「警備員はどうあるべきなのか?」
こういう基本的な部分を全く理解していなかったと断じるほかない。

警備員として最低限の基本的スタンスを理解していないのは当該警備員のみであり特異な存在という事なのか?

その答えを一番よく知っているのは、「ドライバー」であり「歩行者」、すなわち警備関係者以外の一般人だろう。少ないながら同様の警備員を見掛ける事がありますから、当該警備員の特異性という事にはなり得ない。一般人に対して「少ないながら」という言葉が通用するか否かは私には分からないが。

当該警備員は事故当時の警備会社を含めて3社での就業経験があるとの事ですから、警備員としては少なくとも中堅以上のキャリアを有していると思われます。

この事故は警備員個人に問題があったのか?

それとも、警備会社? 警備業界全体?





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